そういうわけで、わが家にやってきた黒柴ゴローさん。
↓前回のお話。
海を渡って会いに行ったあの日のことをいつか忘れてほしい。これから末永くよろしくー--♪なんてホクホクしながら、瑞蓮荘から帰宅。
しかし、そこからよーい、ドンで、大苦戦の日々が開始したわけだ。
1週間終えての感想を言うと、
正直舐めてた、柴犬多頭飼い。
我ながら書いていて、もう笑けるレベルのドタバタ1週間だったので、ぜひ見て頂きたい。笑
1週間なんで長いです。
※ゴローはやってきて2年たちますが、今となると反省点はいっぱい…
でも当時のありのままの状況と当時の心境をそのまま記録として残しておきたいと思います。
大波乱!?新生活スタート!舐めてた柴犬多頭飼い!
お迎え1日目 ぽんちゃんブチ切れ!
後部座席でクレートに入っているゴローさんは、車中ずっと静かで「ぽんちゃんに比べたらおとなしいね」なんて言っていた私たち。
今になって思うと、ほんと呑気だよね。
無事、自宅の駐車場につき、「おつかれーー-」なんて言いながらクレートをあけると
ゴローさん、実は、
震えていた。
震えている、小刻みに。クレートの中で。
おいで、って言ってもおびえた顔して立ちすくんでいる。
「ゴローが震えとる…!!」
「ほんとや……」
―そりゃそうだよね。
きっと車なんてそんなに乗ったことないよな。
しかも、知らない人がこっちを覗き込んでいる。
絶対こわいよな。
抱っこでおそるおそるクレートから出す。
抱きかかえた時に唸ったりムキッ歯したりはないが、とにかく手足をピ-ンと硬直させて身体が緊張で強張っている。
幸いクレートの中で嘔吐や失禁している様子もなかったので、もう夕方だし、家に入る前に散歩しとくかーってぽんちゃんと歩きだしてみる。
歩かない。
地面を嗅ぐわけでもなく、この姿勢でフリーズ。
「マジか」
思わずこぼれた心の声。
でも、知らんニオイやもんな。
あのつるつるの瑞蓮荘のドッグランと違ってゴツゴツしてるしな。
しかし、私とくまちゃんの間に不安な空気が流れたのは間違いなかった。
まだ小さいころのぽんちゃんを思い出す。
ワクチン打つ前に外慣れさせておこうと、朝晩ひたすら抱っこ散歩に励んでいた。
ぽんちゃん抱えて汗だくになりながら黙々と歩いたのも去年の初夏の話。
なんにも知らない場所、におい、音。
今でこそ破天荒な子だけど、ぽんちゃんもはじめはこわがっていたあの頃。
そうだ、なにごとも初心にかえってだ。
「ちょっと今日は抱っこだけにしとこ」
お散歩の鉄則、こわいならまず抱っこ。
それとおやつ。あとは褒めてナデナデ。
トラウマにならないように。
抱っこをすると、びっくりするほどゴローさんの身体は軽く、あばら骨が手に取るようにわかる。
なんか中身の肉が詰まっていない感じ。
すっと持ち上げられる。
あとあと体重をはかってみると、やっぱりぽんちゃんよりも軽かった。
そんなゴローさんを抱っこして、ぽんちゃんを連れたくまちゃんと並んで歩く。
「痩せとるねぇ」
「ごはん食べてもうんちめっちゃして痩せとるって言いよったな」
去勢手術して、ごはん食べて、しっかり運動したら体重はいくぶんかは増えるだろうか。
ぽんちゃんは知らない犬を抱えているくまちゃんを怪訝そうに見つつ、黙々を前を歩いていく。
唸ったり吠えたりしない。
ふーん、誰だろう?っていう顔をしている。
…なんだか大丈夫そうだな。
内心ホッとした。
いつもの河川敷にきたところで、ニオイでも嗅いでもらおうとゴローさんを地面に降ろしてみる。
それでもフリーズしてゴローさん動かない。
まぁ初日だし無理はすまいと、ぽんちゃんの排泄を終えて帰宅。
「家入るのも、脚洗うんもぽんちゃんからな。なんてたってセンジュウケンやから」
「うん」
ネットで仕入れた浅い知識でくまちゃんと打ち合わせしながら玄関へ向かう。
予想どおり、そこからが大変だった。
ぽんちゃんを先頭に、ゴローさんと共に玄関に1歩入った瞬間―。
黒柴でこぽん、柴犬の真骨頂を発揮する。
吠えるわ、吠える。
それも見たこともないくらいの怖い顔で。
抱っこしておかないと、ゴローさんに向かって突進して噛みそうな勢いだ。
誰や!誰や!なんやお前!誰!
めっちゃ文句言ってる。
ゴローさんはというと、ぽんちゃんのことなんか視界に入ってないんか?ていうくらいガン無視。
なんなら私の膝に前脚のっけて撫でてもらおうとする。
マイペースやな。だてに6年間生きてないな。
そんで、自分そっちのけでそんなことやってのけるゴローさんにまたブチ切れるぽんちゃん。
あまりの剣幕に圧倒され、玄関であわてふためく人間2人。
「いかん!ちょっとくまちゃん!先にでこぽんの脚洗って!!」
我にかえって、くまちゃんとぽんちゃんを先に浴室へ向かわせる。
さっきあんな感じやったのに。
大丈夫なんかじゃないやん。
そんなテリトリー意識高め系女子やった?
なんなら世帯主のくまちゃんより強いやん。
世帯主、まだ玄関入ってひとことも喋ってないよ。
ぽんちゃんの脚を洗い終えて、自由になった彼女からけたたましく吠えられながら、
ゴローさんを抱えてなんとか浴室に逃げ込む。
もうバイオハザード並みにこわい。
我が犬ながらめっちゃこわい。
ドッグランで噛まれた時だってあんな吠えんかったやん。
浴室のすりガラス越しに浮かび上がる、愛犬のシルエットをこんなにも恐れたことはなかった。
この日の大事なミッションはまだ残っていて、ひどい獣臭がしていて、かつ衣替えをはじめたゴローさんをブラッシングし丸洗いしなければならなかった。
環境変わったばっかりなのに即シャンプーなんてカワイソウ!と思うかもしれないが、非常に獣臭がキツイのでこればっかりは許して頂きたい。
浮き出た毛をひたすらブラッシングで除去し、やっとこさ洗体する。
ゴローさん、逃げようとするものの怒ったりすることなく無事シャンプー終了。
おりこう…。
排水口のネットを3回交換するほどの毛が抜けて、ゴローさんはさらに小さくなった。
小さくなったかわりに、獣臭も軽減した。
ジタバタするゴローさんになんとかマナーベルトをつけて、少しリビングを歩かせてみる。
ぽんちゃん、さっきほど威嚇吠えはしないものの、ワウワウ言いながら永遠と後を追っかけてゴローさんのお尻をつつき始めている。
なんか警戒吠えというより、粗暴に話しかけている感じ。
「無視すんな!」
そんな感じ。
ゴローさんは相変わらずガン無視。
マグロみたいに永遠にリビング中をくるくると歩き回る。
「ちょっと今日はアレやから、ゴローはクレートで過ごそうか」
ぽんちゃんがヒートアップするまえに、ゴローさんは瑞蓮荘パパにかして頂いたクレートに避難させた。
ぽんちゃんの視線が怖いだろうからと、くまちゃんのバスタオルをかけて。
ごめんな。
広い部屋は明日買いに行こうな。
夜はぽんちゃんはお水しか飲まず、ゴローさんは手渡しでカリカリを数粒しか食べず。
そのあと寝室にクレートごと移動させて、就寝した。
ゴローさんが夜中時々クレートをカリカリして、そのたびにぽんちゃんが吠えるもんだから初日の夜はほとんど寝られなかった。
覚悟はしていたけど、私の中での不安が急速に大きくなっていったのも間違いなかった。
ほんとうにうまくやっていけるのだろうか。
でもすでに新生活はスタートをきっている。
みんなが「よかったね」って思えるように、考えるよりまずはやらねばなるまい。
しっかりしろ、と目を閉じる。
お迎え2日目 ケンカ勃発!トントン戦法敗れる。
不眠の夜が明けた。
ゴローさんは朝4時半頃から、トイレがしたいのかクレートの中でキュンキュンと鳴き始めていた。
「くまちゃん」
「んー」
「ゴロートイレやない?」
「出すか…」
「ぽんちゃんはどうする?」
「抱っこしとって」
ぽんちゃんは夜もフリーであしもとで寝ている。
私はぽんちゃんを抱きあげて、くまちゃんはごろーさんのクレートを開けた。
オープン。
まるで競馬のスタートダッシュのように飛び出すゴローさん。
その瞬間、私の腕の中でギャン吠えし始めるぽんちゃん。
まだ早朝だ。
そしてここは集合住宅。
焦る私。
「わかったわかったわかったわかった…ハイハイハイ」
伝わるはずもない言葉をひたすら続け、ぽんちゃんの背中をトントンする。
釣り上げられたブリみたいに、腕の中でビチビチと激しく動くぽんちゃん。
ゴローさんは高速で寝室をグルグルと回り、寝室を開けると飛び出していった。
トイレしたくても自分のニオイもしないし、どこでしたらいいかわからず混乱しているようだった。
そしてそのままリビングに入ると、床に置いてあったサーキュレーターに片足を上げた。
マナーベルトをしていたのでなんとかなった。
「トイレどうすっかねー-」
昨日からわかったのは、ゴローさんは尿量が多くて尿間隔が近い。
おまけに水めっちゃ飲む。
オスってこんな感じなん?
それすらもわからない。
朝ンポを準備している間に、そのへんでおもらししそうな勢いだ。
でもぽんちゃんが外でしかトイレしないので、出来ればそれに合わせたいが室内で出来るに越したことはない。
じゃあまずは朝イチにバルコニーでトイレシーツに誘導してみようか、となった。
ひとまず喧嘩しそうなのでゴローさんは再び寝室へ移動し、そこで朝ごはん(それでもちょこっとしか食べない)を食べ、ぽんちゃんはリビングで過ごさせた。
いつものようにぽんちゃんは朝の散歩へくまちゃんと出かけて行った。
その間、私はゴローさんのマナーベルトを交換し、スキンシップをとる。
とにかくゴローさんは人の顔を見る子だな、と思った。
瑞蓮荘でもじー----と私の顔を見ていた。
犬って目を合わせるの苦手なはずだけど…
警戒してんのかな…
そう思うけど、ほっぺに手を当てると、ゴローさんは頭を預けてくる。
ぽんちゃんよりも少し大きい頭は丸っこくて、ややたぬき顔でかわいい。
捨てられたとか思ってないだろうか。
今はとりあえず撫でてくれるこの人間しか、ゴローさんは頼る人がいないのである。
昨晩こみあげた不安がまた鎌首をもたげてきそうだったが、ゴローさんを撫でながらなんとか押し込めた。
「ダメや。歩かんくなった」
くまちゃんとぽんちゃんは思った以上に早く帰って来た。
いつもは1時間以上散歩しているのに。
くまちゃんが言うには―
家に残ってるゴローさんが気になって仕方がないらしく、排尿するとすぐに踵を返して帰ろうとして全然散歩にならないとのこと。
まずいな…。
柴犬はほんとうに運動させないとそのパワーを持て余す犬種なのだ。
協議の結果、明日にでもドッグランに行ってみようということに。
ぽんちゃんは家の外ではゴローさんに警戒吠えしない。
このまま十分な運動ができなくて、昼寝もできなくて先にぽんちゃんのメンタルが崩壊するのではと危惧したからだ。
それだったら、ドッグランで2人の共有の時間を作ってあげたほうがいいかもしれない。
ゴローさんもそもそもは、ランで運動と排泄をしていたのだ。
ひとけのない時間を狙ってランに行けば、2匹っきりで過ごせるはずだ。
お散歩の練習は夕方にボチボチやったらいい。
ゴローさん用の食器台がこの日届く予定だったので、それまで水飲み場は共有だったけどケンカせず順番待ちしてた。
ぽんちゃん、案外こういうのは怒らない。ナゾ。
この日はゴローさん用のケージを買いにおでかけ。
1万円弱くらいするだろーなーと思ってたけど、割引で屋根付きで4000円くらいだった。
ラッキー。
かえって早速組み立てた。
サイズもばっちり。
組み立てている間、2匹はフリーでその場にいたけど、その間もずっとぽんちゃんはゴローさんに話しかけていたけど、ゴローさんはやっぱり無視していた。
ケージを組み立て終わると、ゴローさんはさっそくケージのなかにあるベッドに寝そべっていた。
すごいな。自分用ってわかったんやな。
かしこいなぁ。
バスタオルを半分だけかけて、ベッド部分を暗くしてみた。
ぽんちゃんは緊張しながらも新しいルームメイトのゴローさんが気になって仕方がないらしく、何度も部屋(ケージ)をのぞいたりしていた。
少しでもぽんちゃんがケージに近づくとゴローさんは歯を剝きだして威嚇。
あんだけ今まで無視してたのに、このときばかりはぽんちゃんの目を睨みつける。
ぽんちゃん、殺気を感じて数歩下がる。
それを何度も繰り返していた。
「なぁ…ムキッ歯してる…」
「んー?」
四六時中2匹のことが気になって仕方がない私とは裏腹に、くまちゃんは睡眠不足と疲労とで昼寝をはじめた。
しばし、静かな時間が流れる。
少しでも私たちが動く気配がすると、ゴローさんはケージから顔を覗かせて不安そうにこちらを見つめてきた。
ぽんちゃんはそんなゴローさんが動くたびに、唸ってケージに走りよって監視している。
リビング中が緊張感で張り詰めている。
とりあえずこの状況を見守るしかなさそうだな。
夕方になり、ゴローさんのお散歩練習へ。
やっぱり歩かない。
でも抱っこして河川敷に行きその場で降ろすと、なんとクン活してくれた。
そのままぽんちゃんを先に行かせると、ゴローさん歩くこと数歩。
ゴローさん歩けた…!!!
クララが立ったレベルで感動。
2日目にして歩けるなら…!!!と私の心は晴れた。
この日、歩いたのはお散歩コースの4分の1程度。
それでも私はうんと嬉しかった。
「こりゃ、1人で散歩はなかなかハードやなぁ」
くまちゃん心の声を外に出している。
できることはあるけど、どうしてもできないことばかりに目がいってしまう。
現実的に取り組むべきことは山積みである。
お散歩からやっとこさ帰宅すると、汗でぐっしょりになっていた。
抱っこするせいで顔まで毛まみれだ。
脚を洗うためにゴローさんと2人っきりで浴室にいると、ぽんちゃんがほんとうにブチ切れるので昨日をもって脚洗いは封印。
玄関でまずはゴローさんの目の前でぽんちゃんの脚を拭き、その後ゴローさんの脚を拭くようにした。
ギャン吠えはなくなったけど、脚拭きから解き放たれたゴローさんをひたすらぽんちゃんがワウワウいいながら追っかけまわしている。
そんな時、事件は起こった。
ぽんちゃんがちょっかいを出しすぎたタイミングで、ついにゴローさんが牙をむいた。
キャキャキャン!というぽんちゃんの高い鳴き声と同時に、慌てて2匹を引きはがす私たち。
ゴローさんの口もとにはぽんちゃんの毛がひとふさ付いていた。
「ゴロー!」
思わずでる大きい声。
ゴローさん、「え、僕なにかしました?」ときょとん顔のち、態勢を低くして私たちにスリスリ。
ぽんちゃん、遠くへ逃げて強張った顔でこちらを見つめている。
「歯を当てただけやね」
くまちゃんがぽんちゃんの首もとを確認して言った。
フリーにするのが早かったか。
フリーの時間が長すぎたか。
猛省。
ぽんちゃんもまだ1歳で、とにかく相手かまわずイケイケどんどんな時もある。
まだこの家のことやお互いのことがわかるまでは、ゴローさんはケージに入れておいたほうがいいのでは。
ゴローさん、ケージへ収納。
ぽんちゃんは案外ケロっとして1時間もしないうちに、また柵越しにゴローさんに話しかけていた。
夜になった。
昨日と同じようにクレートにゴローさんを移し替えし、寝室へ。
さあ寝ようか、と消灯するとことは起きた。
カリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリ…。
カチャンカチャンカチャンカチャン。
ゴローが出たそうにクレートの扉を脚で鳴らしている。
「ゴーロちゃん」
暗闇のまま小さな声で何度か話しかける。
キャンキャンキャン!
甘え鳴きをし始めた。
出せってか。
いや、鳴いたからって出すわけいかない。
ぽんちゃんだって生後4か月まではクレートで寝ていたのだ。
ゴローさんはまだそういう時期だ。
そんな確固たる私の決断を試すかのように、ゴローさんのカチャカチャ音と鳴き声はどんどん激しく大きくなっていく。
ため息をついてベッドから出て、クレートに掛けたバスタオルの上から寝かしつけるようにゆっくり小さくトントンしてみる。
すると、鳴き声とカチャカチャがすぐに止んだ。
いびきが聞こえるまで隣でトントンするか…と、眠気を押し殺してトントンする。
それを見てぽんちゃんが「アタチも撫でろ」と横にやってきて前脚で私をつついてくる。
甘えん坊親子、そういうところはシンクロするな。
トントン、
ナデナデ。
トントン、
ナデナデ。
…
数分のち、無事に静かになった。
聞こえるのは夫のいびきだけ(よう寝れたな)。
ぽんちゃんが心配そうに私の顔をじっと見ている。
大丈夫そうやな、とホッと胸を撫でおろし、
「寝よか」
そう言ってゴローさんのクレートから離れて、ベッドへ再び潜り込んだ―。
キャンキャンキャン!
「ダメだ!」
叫んで飛び起きた。
ぽんちゃんも飛び起きた。
鼻息荒くしてクレートに駆けつけている。
くまちゃんはまだもぞもぞしている。
「くまちゃん、クレート嫌みたい」
「んー?」
「ケージにしよ。フリーで寝かすわけにもいかんし」
電気をつけて、リビングにあるケージへ再びゴローさんを移す。
昼はここで寝ていたから大丈夫なはず。
「雑魚寝しよ、雑魚寝」
かといって深夜でいろいろ持ってくるのが面倒だったため、適当にタオルケットだけ持って、それぞれリビングの思い思いの場所に寝転ぶ。
消灯して少しだけまたカチャカチャいわせていたが、すぐにゴローさんはケージのなかでいびきをかきはじめた。
よかった…
明日も早起きしてやることはたんまりある。
早く寝たいのにすぐには寝つけなかった。
昨晩よりも大きくなった不安があったからだ。
でもでも、と言い聞かせる。
自分でケージに入って寝たり、手足も拭かせてくれる。
ゴローさんはかしこくて優しい。
ぽんちゃんにも慣れたらきっとうまくいくはずだ。
お散歩もクン活して歩いただけ十分じゃないか。
きっと大丈夫。
お迎え3日目 ドッグランにて。
朝4時50分起床。
背中が痛い。
夫に起こされてやっとこさ起床。
昨日言っていた、ドッグランに行ってみる。
ぽんちゃんはほかの子と追いかけっこをしてご機嫌になっていた。
ぽんちゃんいつの間にか大胸筋が育っていて、最近走る速度がうんとあがったのだ。
ゴローさんはというと、クン活してからは私たちにずー--とつきまとってばかり。
しっぽは下がってなくても少し不安げ。
ぽんちゃんは外ではやはりゴローさんに好意的で、遊ぼ―!とちょっかいを出している。
ゴローさんはまだ心を固く閉ざし無視を決め込んで、あまりにもしつこいと、歯をカチカチ鳴らして威嚇していた。
9時頃になると暑くなってきて、帰宅。
ゴローさん、ケージから半分出て寝るように。
ぽんちゃんはゴローさんの見える位置で昼寝。
たぶん監視してんだろう。
少しでもゴローさんが動く気配がすると鼻息荒く駆けつける。
夜は再びお散歩の練習に励んでみた。
ウチにきて1番歩いたかもしれない。
日々、歩いた距離更新しているな、ゴローさん。
天才か。
「ゴロちゃんゴロちゃん」とひたすら呼んで、なんとか河川敷片道歩ききって、とっても嬉しかった。
お散歩だから歩くってより、呼ばれたからついていくって感じだったけど十分だよね。
すぐ横に立つとコワイ、砂利の足音がコワイ、
車やバイクがコワイ、ほかのワンコや人がコワイ。
ゴローさんにはまだ知らないこといっぱいで、ゆくゆく外は楽しいなと思ってほしい。
まだぽんちゃんとゴローさんの距離は縮まらず、ぽんちゃんが近づけばムキッ歯したり、逆に私たちがゴローさんを触ればぽんちゃんはめちゃくちゃ怒って吠えた。
できることは増えた。
でもそれ以上に、なかなかひとつひとつのお世話がスムーズにいかなくて、ぶっちゃけしんどいことのほうが多い。
ぽんちゃんがパピーの頃プチノイローゼになって、しつけYOUTUBEをひたすら見ていた日々を思い出す。
今はその思い出を御守りに、大丈夫、できるようになると自分にひたすら言い聞かすしかなかった。
お迎え4日目 ゴローさん初のお留守番!救世主現る。
休みが明けると、当然仕事に行かなければならない。
ゴローさんは昼間、家に誰もいなくなる日があることをまだ知らない。
大丈夫だろうか。でも行かねばならない。
ケージに軽く目隠しをして、夫婦共々各職場へ。
黙々と仕事をしていると、インスタにDMが届いた。
確認すると、同じお里出身のみかんちゃんママからだった。
みかんちゃんも、ウチと同じように父犬の翼くんを里子にお迎えしたのだ。
DMの内容は、2頭目をお迎えしたときの過ごし方や、犬たちへの接し方。
トレーナーさんに受けたアドバイスをそのまま送ってくださってた。
あとは、のんびり気長にやってきましょう、と。
みかんちゃんと翼くんの動画も添えられていた。
もう泣きそうだ。
嬉しいやら、ホッして肩の荷が下りすぎたやらで、スマホを持つ手が震えた。
何度も何度もそのDMを読み込んだ。
気持ちがまとまらなくって、聞いてほしい不安とか相談事がいっぱいあって、返信した文章はきっとちぐはぐだったに違いない。
その日、仕事から帰宅するとゴローさんのケージの中は、いい意味で予想を超えていた。
マナーベルトを食いちぎって、中身が散らかっていただけだった。
それでも失禁はしていなかったし、ケージを噛んだあともなかった。
食器台やベッドも噛んだあとはなかった。
食いちぎったマナーベルトには排尿してあって、おそらく気持ちわるくなって外したのだろう。
目隠しに掛けていたバスタオルがケージからすべてずり落ちていたのは、きっと何度かケージをガシャガシャさせていたせいかもしれない。
誰もいなくて不安だったのかな。
どちらにせよ、はじめてのお留守番にしては上出来だと思う。
ケージに近づくと、ゴローさんは大興奮で後ろ脚立ちになった。
ぽんちゃんは留守中に大騒ぎしていたゴローさんが迷惑だったのか、めちゃくちゃ怒って吠えている。
「はいはいはい…」
と言いながら、先にぽんちゃんをケージから出すとゴローさんのケージの真向かいに立って、めちゃめちゃ吠える。
ゴローさんもムキッ歯して、ぽんちゃんを睨む。
とりあえず…けたたましいぽんちゃんの吠え声に耳を塞ぎたい気持ちを堪えて、優先順位…と考えをめぐらせる。
ゴローさんに新しいマナーベルトをつけ、サッとリビングにあったクレートに入れ、その間に散らかったケージを掃除。
ぽんちゃんは威嚇吠えがおさまるまで再びケージへ。
何度も読み込んだ、みかんちゃんママのDMの内容を思い出す。
「叱る」は極力ゼロにし、むしろ「同じ空間に危険視している相手がいるのに、普段通りの状態でいられて、えらいね」と、攻撃行動や威嚇行動が出ていないところにフォーカスを当てる。
何度も何度もよくホメること。
3日目まではよく怒ってしまってたな、と猛省した。
ゴローさんにもぽんちゃんにも申し訳なかった。
できたことだけを褒めて、それ以外のことは無言でやる。
ぽんちゃんが興奮しはじめたら無言でケージに入れてクールダウンさせる。
ケージに入れると吠えはすぐにおさまるので、入れる時間は2~3分程度におさめた。
これはぽんちゃんがパピーの頃よくやっていたクールダウン方法だ。
そうしていると、明らかに威嚇吠えが減ってきた。
様子をうかがうようにゴローさんに近づく。2匹が近い状態になると声を掛けて褒めながらナデナデした。
大丈夫大丈夫。いつも通りだから。
そう言い聞かせる。
ゴローさんはお散歩は抱っこを併用しながらなんとか歩く。
おやつを持ち歩いて2匹で交互に食べる機会を増やした。
この頃が1番不安で緊張もあって、すっごいしんどかったけど、みかんちゃんママに助けて頂いて救われた…。
ありがとうございます。
お迎え5日目 一時休戦。
あの夜以来、ずっとリビングで寝ている。
夜はケージを閉めてその中で眠るゴローさん。
ぽんちゃんはいつも通りフリーで好きな場所で…っていっても、そこで寝られるとお邪魔なんだけど。
この頃はぽんちゃんの威嚇吠えもだいぶ減った。
だけど、まだトイレとか生活リズムがわたしたちの中でも確立しておらず、まだ安定しない日々。
早朝に起きて、近所のドッグランで運動して帰宅。
そっからごはん食べさせて、私たちが仕事に行くまでの間はフリーに。
あとは留守番。
そんな生活だ。
ゴローさんのドライブボックスもようやく届いた。
ゴローさん、実はいろんなことに対しての順応が早い。
車も平気なみたい。すぐ寝そべってる。
これからいろんなとこ行こうね。
ゴローさんの歩く距離が伸びたことと、あともうひとつ嬉しいこと。
この日くらいからようやくぽんちゃんを意識するようになってきた。
ぽんちゃんを撫でていると「僕も!」
ぽんちゃんに話しかけていると「僕もみて!」
たまにぽんちゃんのお尻をクンクン。
少し、余裕が出てきたかな。
とにかく褒めて褒めて、大丈夫だよと言う。
ここあたりから一気に写真が増えるのが後々見るとわかる。
それだけ私に余裕が出てきた証拠なのだ。
記録用にと、せっせと撮ってきたつもりだったけど、やはり最初は余裕がなかった。
ゴローさんはよく私の顔を見る。
ぽんちゃんにムキッ歯をしているのを私がじっと見ると、「僕なにもしてないもん」と可愛い顔をつくってゴマかすことも。笑
飼い主が変わって不安なのか、ちょっと分離不安気味で後追いがすごい。
人は好き。
わんこは嫌いじゃないけど、それほど興味ないって感じ。
ケージの位置も、留守番中の様子を考えて少し離すことにした。
お互いが見えないように。
隣が騒いでも、ケージに振動がこないように。
はじめてのお留守番以降、落ち着いている様子でほっとした。
お散歩はやっぱり1人ではかなりキツイ。
歩けるようになってきたとはいえ、キツイ。
気長にやるしかないのだが、立ち止まりが多くてキツイ。
しかも、ぽんちゃんまでうまく歩けなくなった。
お散歩は別々に、というのが常套手段だが、ぽんちゃんが自宅に残ったゴローさんが気になって仕方がないらしく全然お散歩にならない。
トレーナーさんに相談してみようか、という結論に至った。
お迎え6日目 どういう風の吹き回し?
急に距離が縮まったのは5日目の夜くらいからだった。
ぽんちゃんが完全に威嚇吠えをやめ、今度はゴローさんにマウントするように。
ゴローさんも怒ったりせず(以前は怒って2回ぽんちゃんに嚙みつていた)、真顔で耐えているというか…うまーくかわしている。
たまにワンプロチックなことをしていないわけでもないが、これは遊んでいる…と言っていいものだろうか?
にしても、以前よりフリーの時間は増えたし、その間目を光らせる必要もなくなった。
どういう風の吹き回しなんだ。
並んで骨を食べるように。
ゴローさんは食べ物や自分のテリトリーに関して意識高い系柴犬なので、そこは慎重にしなけれなならない。
アグレッシブにのちのちならないように、お散歩とあわせてトレーナーさんに相談しようと思う。
仲がいい、とは言えないけど…
これから一緒に生活するんだ、というのがわかりつつあるのかな。
どうだろうか。
お迎え7日目 どうにかこうにか。
どうにかこうにか喧嘩もせず過ごしている。
ぽんちゃんはゴローさんのこと「目の離せないヤツ」と思って、耳を舐めてあげたり、マウントしたり、遊びに誘ったりしている。
ゴローさんは、あんまり興味がなさそうに、そして少し迷惑そうにしながらもうまくそれをかわしている。笑
たぶんだけど、きっといい方向に向かっていると信じたい。笑
せっかくウチにきたのだから幸せになりたいし。
みかんちゃんママにはその都度DMで状況を報告し合ったり、便利なグッズを教えて頂いたりしてだいぶ心の支えになっている。本当に感謝してもし尽くしきれない…。
生活にも慣れてきたことだし、週末にトレーニングの予約をしてみた。
トレーニングのことはまた別に書きたいと思う。
1週間を終えて。
覚悟はしていたけど、それを上回るくらい大変だった。
今も取り組んでいることはあるけど、あせっても仕方がないし、のんびりやっていこうと思っている。
1週間でできるようになったことはうんと増えたのだし、ゴローさんは順応が早いのできっとうまくやっていけるはずだ。
そして、ゴローさんがやってきてからというもの、ぽんちゃんはすっかり姉御肌になっていろいろ教えてくれるようになった。
おやつもらうときはオスワリするんだよ。
勝手にソファーのっちゃいけないんだよ。
勝手にバルコニー出ちゃいけないよ。
ゴローさんにオスワリを伝授していると、横でピシッと我先にオスワリしてアピールしてくる。
かしこいもんね、ぽんちゃん。
しっかりした子になっていたんだと感動する。
ぽんちゃんもトレーニングがんばろうね。
そして人間たち。
ブログを見てわかるように、会話まで鮮明に覚えているのは初日から3日目くらいまで。
あとは仕事をしながら日々の生活を送るだけで精一杯だったのだ。
すこぶる余裕なし。笑
連日早朝起床で追われるように生活してるけど、やっと昨日は週末なのもあってか、ぐっすり寝れた気がする。
こんなもんだよね…。
ゴローさんの新生活応援シリーズは続く。
これからどうぞよろしくお願いいたします。