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黒柴親子と私たち◇ひとさし指と中指で織り成すブログ実は一昨日、里親になりました。
急だな、とほかの人はきっと思うかもしれないが、愛犬でこぽん(以下ぽんちゃん)を迎えてから2匹目のことを頭の片隅で意識していたのは間違いない。
留守番でぴぃぴぃさみしくて鳴く姿、ワン友を見つけて嬉しそうに駆け寄る姿、ワンプロして楽しそうな顔。
2匹目って絶対大変だよなぁと思いつつ、一方でわんこ好きなぽんちゃんに私ら夫婦以外のコミュニティを作ってあげたいというエゴもありつつ…
ずっとゆらゆらと決断は揺れに揺れ。
まぁいつかぽんちゃんが3歳以降ぐらいに下の子のことを考えるのもアリなんかなぁ、などとぼんやり考えていたら。
なんと、ぽんちゃんの生まれた犬舎が里親を募集しはじめていた。
しかも、両親どっちも里親募集に出ていて。
どうしよう。
1週間ほど悩みに悩み。
2匹目迎えるなら、両親のどちらかがいいなとなるが―
やっぱ大変だよ。
1人で2匹お散歩する時だってあるし。
ひょっとしたらぽんちゃんがすっごい嫌がるかもしれないし、それだけは避けたいよね。
なんて夫と話しながら。
でも、うまくいったら留守番も心強くなるかもしれない。
退屈にさせてしまっている散歩も楽しくなるかもしれない。
生活に慣れたら楽しいも可愛いも2倍になるかもしれない。
そんな話を朝の散歩をしながら話した。
答えはでないまま数日後―
とりあえず会いに行ってみようと、私は決めた。
週末はすでに犬舎の見学の予約はいっぱいだったが、たまたま私が金曜日から3連休。
ひとりで車でフェリー乗れるかなとか、そんな不安が少しあったが
このタイミングでたまたま金曜日が休みだというのはもう行くしかなった。
「ちょっと、1人で行ってくるわ」
気づけば夫に電話していた。「俺も行く」
すると有休をとると言い出した夫。
港まで車で1時間、フェリーに乗って1時間、そっから車で20分。
3月に里帰りしたばっかりだったけど、今回は少し違う目的なのもあってブリーダーさんに問い合わせの電話するだけで緊張でお腹が痛くなった。
柴犬と旅ブログ|部屋からドッグラン直結i+Land nagasaki|長崎1泊2日の旅犬舎につくと、ちょうど犬舎のパパさんが外でパピーを送りだしていて、むっちむちの子を拝むことができた。
今週末にかけて12匹も犬舎を旅立つらしく、めちゃくちゃ忙しいとのこと。
「おー。お前は…ゴローの子かな?」
ぽんちゃんを見るなりそう言うパパさん。
「ゴローと…誰やろうか…」
お母さんはミカンちゃんです、というと
「そーいや今日里親で見にくるって言ってたな…」
あ、それウチです。
どうやら里帰りと思われていたらしい。笑
ママさんにもご挨拶できてよかった。
とてもいい場所で見守ってらっしゃった。
少しぽんちゃんの両親について話して、「じゃあ会ってみますか」とさっそく裏のドッグランへ。
お母さんも里親募集中で会わせて頂けた。
私たちがお母さんに会うのは初めて。
どっちも可愛くてなつっこい。
「ぽんちゃん、どう?どう思う?」
そう聞いても、ぽんちゃん前回の里帰りの時からここのランに来ると固まっちゃって。
全然、この2匹に近づいてくれない。
しかも、そんなぽんちゃんの緊張感を察して両親もぽんちゃんに寄りつかず。笑
かわるがわる私たちが両親に話しかけたり触ったりして。
パパさんはお忙しいので、先に事務所に戻ってパピーの引き渡し作業の再開。
私たちとぽんちゃん、ぽんちゃんの両親だけでランに残った。
両親の性格とか遊び方を、パパさんに聞きつつ考える。
―ぽんちゃん、ワンプロ好きなんですけど、そういうの好きなのはどっちですか?
ワンプロならゴローかなぁとパパさん。
「ゴローは今でこそ落ち着いたけど、若いころはようこのランを四角四面に10分くらい走り続けよったですなぁ」
ほうほう。
「ミカンは、ボールが好きでねぇ。なぜかボールをごはん皿に入れて食いにくそうにごはんば食べよるとですよ」
ほうほう。
ぽんちゃん…ワンプロもボールも好きなんよね…。
両親のエピソードを聞けば聞くほど迷いはじめる私たち。
どうしたらいいんだ…!
「あれやったら2匹とも連れて帰ってよかとですけどね」
それは無理だ……!!!
しばらく2匹を観察しているとやっぱり性格は全然違う。
ミカンさんはとにかくパパさんが大好き。ヒコーキ耳して愛嬌あってめちゃかわいい。
おまけにいい体格してて、めちゃ私のどストレート。
おまけに真顔がかわいい。
私たちに寄ってはくるけどTHE柴距離があってかわいい。
柴犬!って感じのミカンさん。
ゴローさんは人懐っこくて、前脚でよくタッチしてくれる。
とにかく顔とか仕草がぽんちゃんそっくりで、似てるなぁ~を連発する私たち。
ミカンさんより年上で、今年で6歳。
なぜか今になって衣替えを始めたらしい。マイペースか。
いやー…ほんっとどっちが来てもいいっていうか…
ミカンさんのほうが若いし、私たちもジョシーバ慣れしてるからいいかなって思うけど、
ゴローさんはゴローさんでぽんちゃんに似ててかわいい。
しばらくランにいて考えた。(暑いのにワンズに申し訳ない…)
結論、ランいた間、じー------とよく視線が合ってて、何度も寄ってきてくれたほうに決めた。
「どっちがウチに来てもいいんだけど、ゴローのほうがウチとでこぽんの距離は近いかもしれん」
夫がそう言ったのが決め手だった。
そう、こちらをずっと見つめていたのはゴローさんのほうだった。
パパさん、引き取りならなるべく早いほうがとのことで、私らもちょうどこの日から3連休。
新生活の準備も考えると今日がいいかもしれん、という話になり―
犬舎にきて約2時間後、急遽、ゴローさん海を渡ることに。
パパさんがクレートを貸し出してくれた。
事務所でゴローさんのワクチンやらフィラリアの話を聞いて、車にクレートをのせる。
「ほお、デリカですか。車中泊ですか。長崎のキャンピングカーの8ナンバー、ウチが第一号なんですよ」
パパさんは車とかバイクが好きらしい。
山積みのドックフードの横には、KAWSAKIのピッカピカのバイクが置いてある。
「全部部品新品に替えましてねぇ」
「ほー…」
ちなみにあっちこっちに猫が鎮座していて、気配を消しているのか、気がつかずに横を通ってたまにビックリする。
そうこうして、きょとん顔でパパさんに連れてこられたゴローさん。
「ほいじゃあな、ゴロー。達者でな」
ゴローさん、約6年生まれ育った瑞蓮荘をあとする。
こうして繁殖犬、引退となる。
フェリーの時間までに、首輪だけを買って帰路についた。
帰りも長い時間かかったけど、車中ではゴローさんはひっそりとしていて静かだった。
知らないニオイ、音、話し声。
きっときっと、こわくて不安だったに違いない。
パパさんのこと恋しくなってしまうだろうから、しばらくは帰りません。
この日のことを忘れるくらいに幸せになってくれたらいいな。
そんでいつかまたミカンさんにも会えたらいいな、と思う。
そういうわけで、ゴローさんとの生活が始まった。
これからよろしくね。